なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 

「手打ちわんたんめん ¥1000」@らーめん かねかつの写真平日 晴天 10:45 先待ち2名 後待ち8名

久しぶりになりますが〝第14回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を開催する。このイベントはRDB PC版のオススメに挙がる店から営業時間などを考慮してその店で自分の好きなメニューを食べて採点するものである。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちである。過去の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」で成績は13戦7勝2敗4分 5KOと現在は勝ちが先行している。何故なら清湯醤油系が好みなのだが毎回スパコンはガッツリ系を推してくるのでマッチメイクにも問題がある。

今日現在でオススメに挙がっている六店舗のうち四店舗がつけ麺推しの有名店で趣向からはかけ離れている。その中で唯一の清湯醤油系がありそうなこちらを対戦相手に指名する。

ラーメンを求めて川口駅に降り立つのは初めての経験で出発前から緊張している。体調は万全で目覚めも良く開店前の先着を目指して10時前に家を出た。山手線で田端まで行き京浜東北線で川口へ着いた。駅からは少し離れているようでバスのルートもあるが心地良い朝の光を浴びて覚醒しようと歩いて向かった。

駅の西口改札を出るとリリアとかリプレとかララだのラ行の大渋滞が起きていた。さすがはキューポ〝ラ〟の街だ感心しながら進んでいくと10分ほどで住宅街にある店に着いた。すでに行列があり地元の人気店なのを理解した。

定刻通りになると店主がA4版ほどの小窓から顔を出し看板をオープンに裏返して開店。すると先客が予想外のドアを開けた。まるで地下組織への入口のような隠し扉のようだ。もし私が先頭だったら絶対に開けてない扉だった。

カウンター5席の店内に券売機はない。表看板のメニューで本日のお題は決めていたのでカウンターに座りご主人の指示を待つ。初めてなのでかなりの緊張感がある。注文を聞かれないままに準備は進んでいく。ワンオペなので開店時刻に準備万端とはいかなかったようだ。五分後ようやくウォーターピッチャーに水が入れられカウンターに置かれた。それに伴い注文を聞かれたので卓上メニューからお題を告げた。

店内を見渡すほど広くはないが無性にワクワクする空間で不思議と期待感が高まる雰囲気だ。と言うのも調理場の隅にタッパーに入れられた麺生地が帯状のまま丸められて置かれているのだ。その横には手動のI型鋳物製麺機まであると言うことは、もしやのツーオーダーでの麺切りなのかと更に期待は大きくなる。

ひと通り準備が整ったのか期待通りに麺生地を取り出し製麺に入った。まずは帯状の生地をローラーで伸ばす工程だ。麺の厚みを決めるツマミを調節しながら伸ばしていくが何度か繰り返すとかなり薄い帯になった。予想に反して細麺なのかなと思った瞬間、正方形に切り分けられた。なんとワンタンの皮まで作り立てなのだ。驚きを隠せず周りの客を見ると皆んな冷静にスマホをいじっている。地元の客には見慣れた光景なのかもしれないが観賞しないともったいないステージだ。

すでに気持ちの最高値は更新しているが店主の作業から目が離せない。次は今度こそ製麺のようだ。厚めのローラーにかけられた麺生地は見るからにモチモチしている。店主が指先で厚みや弾力を確認しながら伸ばしていく。厚みが決まったところでローラーから切り刃の方へ移し一気に麺状にする。切り刃の下で口を開けて待っていたいくらいに美しい中太麺だ。片栗粉で打ち粉をし軽く掌底で押しつぶして、ようやく手打ち平打ち縮れ麺が完成した。

いよいよ麺を茹でるかと思いきや先程のワンタンの皮に肉餡を包み始めた。包む時にチラッと見えた肉餡は美しいピンク色で鮮度の良さが伝わってきた。挽肉にすると足が早く調味料と合わせると直ぐに変色してしまうのだが全く色変わりしていない。切り立て、作り立て、茹で立てのワンタンに出会えるとは思ってもいなかった。もちろん全てが手作りではあるが工場見学にでも来てるような高揚感も味のひとつだ。

これで準備は万全のはずだ。調理場で一番存在感のある寸胴鍋のフタに手がかかった。スープの登場かと思ったら寸胴の中にテボが入れられた。スープ炊きの鍋と思っていたら、まさかの麺茹で用の鍋だった。意表をつかれた驚きに麺を食う前に面を食らった。

色んな事が起こりすぎて気持ちが収まらずストップ高とした。冷静に落ち着いて待つと着席後20分してようやく我が杯が到着した。ワンロット3杯のオペなので四番手の隣の客はまだしばらく待つ事になりそうだ。

外朱内白の切立丼の中の姿は無骨な男らしさと男の色気を併せ持つ大胆な表情を見せる。目の前にどんぶりがドンと置かれるとドーンと鷄油が押し寄せてくる三ドン活用な姿だ。

まずはスープをひとくち。初対面の印象と同じく鷄油の香りが脳にまで届くような力強さ。油分も多いので一口目で口内がコーティングされ味覚察知能力は低下しそうだ。全体を象っているのは鷄由来の出汁と豚ゲンコツのような豚骨の旨みも微かに感じる。醤油ダレの塩気も口内の油膜に守られ初動では強く感じない。むしろ穏やかにすら思える。生姜によって動物系の臭みは軽減されているがわずかに獣臭さの残る出汁の強いスープだ。

お待ちかねの自家製麺をいただく。手打ちの仕上げに潰された平打ち麺は4分もの茹で時間に耐え得る力強さでグルテンの反発力で平打ちが丸みを帯びて、はち切れそうである。口当たりも滑りも良いのは麺が太すぎない為だろうか。見た目と違い口の中で暴れる事なく喉を過ぎて行く。多加水の割にはもっちり感は少なく歯切れが良い。奥歯で噛んでも香りも甘みも少なく思うのは口内の油膜によって繊細な部分は感じづらくなっているからだろうか。

具材は何と言ってもワンタンが主役でしょう。本来の雲呑とは違って日式ではあるがワンタンが産まれる瞬間から診ているので勝手な親心すらある。先に肉餡を噛みしめると粗く挽かれた豚肉は素材の旨味を活かした下味でほのかに生姜と香辛料が香る程度。粗々しい食感と繊細な味付けが芸人のオードリーさんのようでハマっている。手打ちのワンタンの皮もオードリーの二人を優しく包み込む有吉さんのようにコンビを転がす。

次に焼豚だが低温焼豚が二種類で鷄ムネ肉からいただく。小ぶりながら厚みのあるカットで絶妙の熱の入りだがマリネが足りないのか味がボヤけている。豚肩ロースも同じで見た目は良いが肝心の味が活きてこない。鷄油の強さが原因かも知れずどちらの焼豚もスープに押され気味だ。

薬味は大胆に小口に切られた青ねぎで素朴な香りと確かな食感がこの世界の中では持ち味を発揮していた。

終盤にかけての麺は相変わらず活き活きとした弾けるような食感で食べ飽きさせない。不自然な旨味もなくスープも飲み干したが奥歯の付け根に残る酸味が気になった。多分だが鷄油を冷蔵庫で保管し固まった鷄油を溶かしながら使っているので開店して最初のロットで使われた鷄油は冷蔵庫で酸化しやすい表面の部分が使われたのではないだろうかと思う。

しかし採点は80点を余裕で超え、久しぶりにスパコンのオススメ相手に負けを喫した。作り立ての手打ち麺の工程を見た時には初のKO負けも覚悟したが具材の好みの違いでで何とか免れた。これで通算対戦成績は14戦7勝3敗4分 5KO勝利となり一歩差を詰められたが、今後のオススメに登場するライバルは清湯醤油系であって欲しいと願う一杯でした。

投稿 | コメント (0) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

まだコメントがありません。