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「味玉煮干中華そば ¥950」@煮干中華蕎麦 舞〜Mau〜の写真平日 晴天 13:05 先客7名 後客6名

〝ニューオープン 探検記〟

最近お気に入りである錦糸町のサウナに前泊してからの新店めぐりを思いついた。RDBの新店情報で見つけたこちらは、お隣は埼玉県の中でも行った事のない吉川市で産声を上げた新店だ。

埼玉県南部を横断する武蔵野線の吉川駅が最寄り駅で自宅からではアクセスが困難なので前乗りの宿泊施設を探していると、武蔵野線を使わずとも辿り着けるルートが挙がってきた。それは越谷駅を経由するルートだったので、地下鉄半蔵門線の駅を持つ錦糸町に宿泊先の白羽の矢が立ったのだ。

となれば、蒸し風呂密集地帯である錦糸町の中でも利用頻度が多くなっているサウナへと向かう事にした。駅から少し離れた繁華街にあるサウナだが、お気に入りの理由の一つにチェックアウトが昼の12時と遅い事が挙げられる。通常のサウナは10時チェックアウトがほとんどだが、こちらは朝風呂ならぬ昼風呂の背徳感を味わえる点が最大の魅力である。予約客限定の焼鮭朝食を楽しんだ後の世間の喧騒とは無縁の昼風呂を、ゆっくりと楽しんでいる時の浮世離れした感覚は他では味わえない恍惚の時間だ。

サウナの詳細は前回の「房州館山 にぼし味らーめん めん楽亭」のレビューに記しているので割愛するが、今回の新たな発見だけは書き残しておきたい。昼前までサウナを含めた大浴場を楽しんた後は脱衣所にて館内着に着替えをするのだが、鍵付きロッカーではなく棚が設けられただけの銭湯スタイルの脱衣所なのだ。他の入浴客の着替えと間違えないように棚には工夫が凝らしてあり、棚には覚えやすいように番号ではなく都道府県名が割り当てられているのだ。全部で54個ある棚なので47都道府県をすべて振り分けても余りがあるはずなのに、不思議な事に無い都道府県名がいくつもあるのだ。北は北海道から順調に配列されているかと思いきや、都道府県名ではない札幌や仙台の棚が現れた。54個の棚なので苦肉の策だと思っていたが木更津や松本や博多までも登場してきて、さらには丸の内の棚までもが存在していたのだ。南国の九州地方の順番になると案の定、都道府県名の無い地方が現れてきた。熊本 宮崎 鹿児島の名前は確認する事が出来なかったのに、なぜに丸の内の棚があるのか疑問で仕方なかった。

そんなモヤモヤを抱えながら新店めぐりの為に錦糸町を出発した。東武スカイツリーライン直通の半蔵門線錦糸町駅から南栗橋行きにて40分で越谷駅に着くと、東口から出ている朝日バスの吉川駅北口行きに乗車すると25分ほどで最寄りの保第二公園バス亭までやって来た。そこからは3分も歩くと非常に珍しい一文字だけの地名〝保(ほ)〟にある交差点の脇にある〝煮干中華蕎麦〟と書かれた白い看板を見つけた。店先には開店祝いの花が並んでいたので、すぐにそこが店だと分かった。

昼時を過ぎていたので行列はなく店内にひと席だけ空席があるのをガラス窓越しに確認すると、さっそく扉を開けて店内に。入口右手に設置された券売機の中のヘッドライナーは当然ながら〝煮干そば〟が飾っているが、その隣には〝煮干中華そば〟というイメージ的には煮干感の弱そうなボタンを見つけたので好物の味玉入りのボタンを発券してカウンターに腰を下ろした。

新店舗らしい真新しい店内をカウンター越しに見渡すと、商品の説明書きの貼り紙が店内の壁に貼ってあった。するとそこには私のオーダーした〝煮干中華そば〟の方が〝煮干そば〟よりも少し濃厚となっていて、ニボ耐性の弱い私は勝手な憶測で判断してしまった事を悔やんだ。さらにはより濃厚な〝煮干そば極〟なるメニューもあったので、それよりは淡麗そうなので良かったと自分に言い聞かせた。本日の客層は若い方が、多く私が瞬間最高年齢を記録したようだ。白を基調とした清潔感のある店内は郊外の立地を活かした広々とした造りとなっていて、テーブル席は無いが中待ちスペースも設けてある。そんな店内を本日はお二人で切り盛りせれていて、ピカピカの厨房内で黙々と調理を進めている。厨房内からあふれてくる煮干しの香りに包まれながら待っていると、着席して6分で我が杯が到着した。

その姿は受け皿に乗った白磁の切立オシャレ鉢の中で、よく見かける景色ではあるが器の口縁にカエシなどの飛散が見られない丁寧な盛り付けを見せている。煮干系としては非常に好印象な初対麺で、店主さんの仕事ぶりが詰まっていると感じながらレンゲを手にした。

まずは煤竹色のスープをひとくち。その液面が鶏と煮干しのスープである事を物語っていて、鶏由来の油膜と煮干し由来の水泡が見られる。先客のご夫妻が〝煮干そば〟と〝煮干中華そば〟の食べ比べをしていたので何気なく見比べてみると、色調としては〝煮干そば〟の方が明らかに濃く濁った色をしていた。味の感想も「全然違うね」との事だが、何がどう違うのかまでは聞き取れなかった。ヴィジュアル的にはセメント系とは見えない表層にレンゲを沈めてみると、やはり濃度の強さをレンゲを持つ指先には感じない。表層の油膜の下にはサラリとした印象のスープが潜んでいて、淀みなくレンゲの中に収まってくる。そんなスープを口に含むと、苦味が最優先ではあるが旨みもしっかり基礎を築いている。煮干出汁の旨みも感じられるが、やはり主体となってあるのは鶏出汁だ。そこに煮干特有の香味が重なる事でバランスのとれたスープとなっている。初動では強く感じた苦味も時とともに和らいで、後味の良い良質な苦味だった。

続いて麺上げまでジャスト45秒の中細ストレート麺を持ち上げるが、こちらの割箸は長めの七寸箸なので箸さばきが楽でとても持ちやすい。他店では経費の都合上で安価な六寸箸が主流となっているが、持ちやすさを重視した長めの割り箸を採用している店主さんの客目線の思いやりが素晴らしい。箸さばき良く持ち上げられた箸先には、煮干系には定石の身軽い手応えが伝わってきた。悪く言えば〝またおま系〟と認識しながら一気に麺をすすり上げると、予想外の密度の濃いグルテン質が唇を通過していった。切刃の角が残るシャープさの中にも、みっちりと重厚感のある舌触りに驚いた。そんなキレと図太さを持ち合わせた麺を噛みつぶすと、よくある粉っぽい歯切れはなく、もっちりとしたハリとコシが咀嚼行為を喜びに変えてくれる。先程まで〝またおま系〟かと思ってしまった自身の先入観を恥ずかしく感じた。麺上げ工程を見ていても〝煮干そば〟にも同じ麺が使用されているようなので、この麺と煮干しスープとの相性も大いに気になった。高加水麺ではないが、これだけ水分が含まれている麺ならば、ある程度の時間ならばダレる事はなさそうなので具材を楽しんでみた。

具材のチャーシューには豚肩ロースの低温調理が厚切りで二枚も添えてあり、見た目にも発色の鮮やかなロゼ色がまずは目を惹く。今回は豚肩ロースの中でも脂身の多い部位が切り分けられてあり、スジの多さを予想しながら口に運んだ。レアチャーシューなれど過剰な生っぽさを感じさせない低温調理を熟知された仕上がりではあったが、やはり懸念されたスジ切りの甘さが露呈していた。しっとりと柔らかな赤身に対して、脂身をつなぐスジが噛み切れず口の中に残ってしまう。下味のソミュール液などの赤身の仕上がりが良いだけに余計に歯切れの悪さが際立つ事で、結果として残念な印象が優位に立ってしまった。

追加した味玉も私の〝味玉論〟からは外れた仕上がりが残念だった。冷蔵庫から取り出されたばかりのような冷たさが残り、温め直しなどの一手間がなく熱いスープの中では異物感を生んでいる。漬けダレの浸透も白身の表面だけには色づいているが、黄身には全く届いておらず好みの熟成度は皆無。リッチな黄身の色を残してあり半熟ゆで卵としては満点ではあるが、味玉を名乗るには漬けダレの浸透圧の効果は出ていなかった。

口縁に添えられた十字4切の大判な海苔は硬めの強い食感ではあるが、磯の香りを存分に楽しめた。海苔自体の質の良さもあるだろが、保存状態の良さがあればこそ為せる香り高さと感心した。

薬味の玉ねぎアッシェは敢えて辛味を残したタイプとなっていて、フードプロセッサーなどの文明の力に頼らずに丁寧な手切り感を味わえる。手切りならではの切り口の滑らかな舌触りが、強烈なはずの玉ねぎ本来の辛味を幾分か和らげているようにも思える。そんな薬味ひとつにも強いこだわりを感じられた。

中盤以降は煮干しの持つ苦味にも慣れてきたので箸の勢いは止まる事を知らず、気がつけばチャーシューのスジ以外は平らげていた。初動では感じなかった酸味が後味をサッパリとしてくれたのは鰹節由来の酸味なのだろうか。そんな細部まで綿密に計算されたバランスの良いスープと食べ応え満点の麺だっただけに、具材の仕上がりが残念で仕方なく箸とレンゲを置いた。

帰りのバスまでは時間があったので吉川駅まで歩いて向かう事にしたが、次回は味玉抜きの煮干そばに挑戦して、チャーシューの切り分け部位が赤身中心である事を願って再訪したみたいと思った一杯でした。

投稿 | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

なぜ吉川市を選んだのか?サウナーの記事を書きたいだけだろう!
...この場所はRDBは評価があまりない場所!でも実際食してみるとハイレベルな麺屋が多い!
こちらは越谷烈の2号店だそうだ!煮干の味も千差万別でKIRIYAのような煮干もあればセメントな煮干もある。他店のチャーシューも写真を拡大してみると筋切りのきり刃を見たことがないのだが、実際は入ってるものなのだろうか!

昭和のBecky! | 2019年9月15日 22:45

確かに情報量の少ないエリアでしたね。こちらが2号店とは存じませんでした。チャーシューの筋切りは仕込む前に金串やミートテンダライザーで下処理するのが一般的ですが、それは仕上がりでは目には見えない工程ですね。そもそもその下処理をしてない店もありますが、ちゃんと気を使っている店では牛刀の刃先を使って提供前に筋切りしてましたよ。

のらのら | 2019年9月16日 16:09

ミートテンダライザー私も持ってますよ。しっかり切刃は残っています。
牛刀ですか、このぐらいレアだと跡がわかりそうですよね。

昭和のBecky! | 2019年9月16日 17:38

私も愛用してまずがステーキに使うと痕跡がありますが、煮豚を作る時には見られませんよ。

のらのら | 2019年9月16日 23:02