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2017年2月20日の大崎裕史の今日の一杯

鹿児島県鹿児島市高見馬場

鹿児島一の繁華街・天文館で飲んだときは〆のラーメンを「のり一」で食べることが多かった。そして半世紀以上、天文館での人気を持続していた。競争の原理を考えると似たようなラーメンが出てきてもおかしくないのだが、塩ラーメンこそ登場しても「競合」になったとしても別味のラーメン店だった。つまり実質の競合は存在しなかった。

ところが昨年末、「のり一」から100mほどの所に新店がオープンした。しかもどうやら味が似ているというのだ。それが証拠に「のり一」の店頭には「当店には支店姉妹店はございません」と貼り紙がしてある。この貼り紙は最近貼られた物である。しかし、これはむしろ宣伝になってしまうと思うのだが・・・。

そしてその話題の新店「さだ」に行ってみた。さだまさしファンなのか、店主が佐田さんなのか、確認できなかったがBGMはさだまさしではなかった。

さて、メニューを見ると「ラーメン」(屋号表示とは違う)650円とある。あれ?「のり一」と値段的な競合はしていない。「のり一」は飲んだ後に合うチープな味わいで、しかも値段もチープ。数年前までは300円でやっていたが一気に500円になって驚いたが、それでも十分安い。

二人で行ったのでそのラーメンとかま玉そば(まぜそば)を注文。ラーメンが登場。ぱっと見はなんだか「のり一」とは違う。スープの色が茶濁に見えたので鹿児島ラーメンのようにも思えた。ところが食べてみたら、あらビックリ。塩味のラーメンだった。そしてチープな味わいではなく、旨味十分。塩味もキレがあり、出汁も効いていて揚げネギ効果もばっちり。チャーシューだけ少々ニオイがあったが・・・・。

いや〜これはおいしい。飲んでヘロヘロになった後に食べるにはもったいないくらいである。しかし、17時から翌3時という営業スタイルは始まりこそ早いが「のり一」と同様に天文館の深夜族を意識しているのは間違いない。帰り際、スタッフに聞いてみた。「大将はのり一出身ですか?」スタッフは唐突な質問に一瞬戸惑ったが「あっ、はい、そうです」という返事だった。ちなみに午前1時で「のり一」もこちらも数人待ちの人気だった。

それとかま玉そばや玉子かけごはんに使う「塩ダレ」が「のり一」同様に置いてある。
参考までに東京の立石にも「のり一」出身の「乃の一」が2015年11月にオープンしている。

お店データ

らぁめん専門さだ

鹿児島県鹿児島市山之口町3-8 山本ビル1F(高見馬場)
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンショー実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2015年12月末現在約23,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。